compe

前回、導入編からの続きです。

狙い澄ませば、ちゃんと当たる。コンペで割と勝っているお話。<導入編>

目次

・これまでのコンペ結果(一部)

1.レギュレーションを守る
2." いらない曲 " を知る
3.楽曲の使い方までトータルで考えて、提案する
4.嬉しい仕掛けを作る
5.裏道を使う

・あとがき




これまでのコンペ結果(一部)

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・2014年11月 (株)インターリンク主催 .moe楽曲コンテスト 入選

・2014年12月 北斗夢学院桜組オリジナル曲コンテスト→オーディエンス投票上位をきっかけに岡山県のアイドルへ楽曲提供

・2015年01月 クレオフーガ サウンドロゴコンテスト 優秀賞・審査員特別賞

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・2015年02月 ボカロのダンスカーニバル 採用

・2015年05月 森下裕美 楽曲制作コンペ 優秀賞(Audio stock)

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今(2015年6月)はFLOORの東方妖々夢リミックス楽曲コンテストに1曲だけ投げています。
もし落ちたらそのままニコニコのFLOOR落選供養タグに流して聞いてもらいます。

最近はコンペよりもストックで地盤を固めたい方向にシフトしているので、そういう潰しが利くというか、落選しても他の使い方ができるコンペを狙って出しています。

歌モノなら仮歌にボカロ使用OKの案件とか。歌詞やメロディもこちらで作る場合は、そのままニコニコやYouTubeに流せます。

僕自身は2014年11月末からコンペに作品を送るようになりました。
まだ半年そこそこなんですが、月に1~3本くらい出して、今のところ50%くらいの確率で何かしらの結果はいただいています。

こういうコンペは応募数の少ないものなら数十曲くらいですが、多いものはやっぱり300曲くらい集まります。
倍率からすれば半分リアクションがあれば悪くない数字だと思います。メジャーで1%以下の確立に挑戦し続けるより精神的にも優しい。

小さい成果の積み重ねがそのまま信頼や説得力になるので、なるべく月1本くらいは出してしっかり結果を残していきたいです。

それでは、以下本題です。

1.レギュレーションを守る

regulation

サイトによっては他の投稿者の曲を聞けたりもするんですが、本当に守れていないものが多い!

5秒のサウンドロゴ募集に10秒オーバーのものを送っていたり、あえてコードとメロディのみの状態で募集をかけているのに、全パート仕上げた完成品を送っていたり。

その時点でアウトになります。もったいないミスをしないように、規約はよく読みましょう。

あと、現状そこまで問題にされていないことが多いですが見落としがちな点として。

一度でもネット上などで公開した楽曲はコンペには出せません。

クレオフーガで行われているような公開コンペも結果が出た後に落ちた作品を削除する方がいますが、削除してもその後他のコンペには出せません。削除前に誰かにダウンロードされている可能性があります。

自分の知らないところで映像作品などに使われて拡散されていれば、本家なのにパクリ疑惑が出たり、後々トラブルの原因になったりします。

落ちた作品はインストならオーディオストック等へ。歌モノはメロディ、歌詞の権利を持っているならニコニコやYouTubeに投稿するなど、問題のない形で活用しましょう。

なお、送付先以外に公開されず返却されたものなら、改めて他のコンペに出すことができます。

2."いらない曲"を知る

wastepaper

例えば、歌モノの楽曲をアーティストに提供する場合。

何が一番いらないかと言えば、そのアーティストの過去曲に似ている楽曲です。

ボーカルの声質やおいしい音域を知るために過去曲は参考にすべきですが、曲まで似せてしまったら選ばれません。

あとは汎用性の高い楽曲も意外と選ばれにくいです。

言い換えれば "そのアーティストでなければならない理由" のない楽曲ということですね。
どんなコンペにも過去他のコンペで落ちた曲が数多く流れてきます。そういう曲はどこにでも出せる汎用性の高い楽曲です。

つまり自分も汎用性が高くて冒険もしていない曲を作ったところで、既に同じような曲が溢れかえっています。運次第では通りますが、運任せです。

いくつかそういう曲を持っておいてもいいとは思いますが、やっぱり案件ごとに書き下ろしたほうが圧倒的に採用率は高いです。



インストでも同様です。

ゲームのBGMも、栄えた街と辺境の小さな村では曲の雰囲気が違います。人の密度、生活のスピード感、建物の材質、気候、匂いなんかがきちんと曲に反映されています。

そこを無視して、街と村の間を取ったどっちつかずな曲にしてしまうとやはり使いにくいです。使用する楽器や音階を工夫して場面を絞ることで、ぐっと採用率は上がります。

あんまり尖りすぎるとまた使いにくい印象になってしまうので、結局はバランスなんですけどね。それでもある程度思い切りは必要だと思います。

どこにでも使えそうな曲は、結局どこでも使われないものです。

3.楽曲の使い方までトータルで考えて、提案する

plan

その楽曲が実際に使われている場面を想像できる、というのは大切です。

歌モノならもちろんライブで歌うことも想定します。普段のステージの雰囲気や演出もチェックしておくと曲を作る際にイメージしやすいです。

ライブでは流れも大切です。応募の際、" 過去曲の○○の後にこの曲を続けてください!照明は黄色で、繋ぎの演出はバルーンを使って…" くらい具体的に提案してもいいです。

その通りになるかは置いておいて、そういう提案自体がしっかり下調べをしているという証明になるし、何より想像しやすい。
生意気な印象を与えないかという心配はごもっともですが、あまりにも的外れでなければこれくらい元気があって丁度良いと思ってます。真剣さを伝えておいて損はないはずです。



こちらもインスト曲の場合。

例えば、ある水族館で "世界のクラゲを集めて展示します、BGM募集" という案件がきたら。

早速クラゲの浮遊感を表現する方法について考えたいところですが、まずは館内のどこにスペースが作られるのか、前後の展示物は、館内の雰囲気は、メインの客層は、そもそも水族館がどこにあるのか、といったことから調べます。

そうすると曲の調やテンポ、音色なんかが自分の中で固まってきます。ひとつひとつの音色、フレーズが何の表現を目的にするのかがはっきりするので、作曲スピードも速いです。

別にサメからクラゲへの移行を表現するためにオルゴールを使おうが、館内の壮大な雰囲気を表現するために大編成のストリングスを使おうが、それ自体に正解はなくて、ただ理由があると説得力が増します。



なぜこういう曲になったか、という理由を持たせられたらしっかり応募の際の文章にも書いておきます。このとき、専門用語はできるだけ避けたほうがいいです。

「ローズにフェイザーをかけて」なら、「ふわっと揺れるような音色の電子ピアノを使って」に言い換えて、音楽の知識がなくても正しく伝わるように注意します。

歌モノにしてもインストにしても、曲を書いて終わりではなくトータルで考えて提案しているのだと伝えられれば、楽曲の説得力も増して聞こえます。

4.嬉しい仕掛けを作る

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ここまでをクリアすれば、最後の一押しです。最終候補まで残ったとき、自分の楽曲を選んでもらえるような仕掛けを作ります。

一番分かりやすいのは歌詞ですね。これは僕の必殺技なんですが、歌詞にアーティストの名前や好きな食べ物、スポーツなんかの具体的な名詞を盛り込みます。

「ランチ」は「カレー」にする、「歩く」は「泳ぐ」にする、など。より具体的に、アーティストの身近なものに置き換えていきます。

究極の例は、花澤香奈の パパ、アイ・ラブ・ユー!! (歌詞リンク) です。
子どもの頃に観に行った E.T. や グレムリン や スターウォーズ
パパの趣味がとても好き カリフォルニアロールさ・い・こ・う!!
こんなん、パパ嬉しいに決まってます。歌う花澤さんも嬉しいに決まってます。

タイトルが直球だし、歌詞にも具体的過ぎる名詞やエピソードがふんだんに盛り込まれています。

アルバム「25」のこちらのインタビュー(最下段)でも触れられていますが、何がすごいってこの歌詞、花澤さん本人が書いたものじゃないんですよね。

この曲の作詞を担当したカジヒデキさんが、花澤さんから聞いた思い出をそのまま歌詞にしています。


これ、直接本人には聞けないまでも、僕も似たようなことはできるんじゃないかなと思いました。

例えばアイドルの楽曲募集なら、そのアイドルのホームページ、メンバーのブログ、Twitterをチェックします。特にブログやTwitterでは、仕事以外の日常で身近なものも必ず見えてきます。

そこで得た情報を歌詞や使用する音色に反映させていきます。歌詞以外にも、ギター練習中のメンバーがいれば簡単に真似できそうなギターを入れてみるとか。

インストでも地域性の高い楽器を使ったり、気候を意識したアレンジをしたり、考えられることはたくさんあります。

コンペはネット上のやりとりだけで完結するものも多いですが、その先にいるのは人間です。ちょっとした気遣いはやっぱり嬉しいものです。
作り手としても、歌詞や音色に「これは必ず使う!」みたいな制約があったほうが意外に作りやすかったりもします。

ただしそういう仕掛けを作る場合、その情報が正しいものかどうか、権利的に問題ないかはしっかり確認しておきましょう。間違ったことをしてしまうと逆効果になる恐れもあります。

5.裏道を使う

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別にコネを使いましょうって話ではありません。
コンペって募集のときは特に明記していなくても、数曲まとめて採用することが多々あります。

1曲しか送られてきていないくらいニッチ。でも1曲くらいあってもいいかな。

そういうポジションを当てられれば、曲のクオリティさえ問題なければ自動的に選ばれることがあります。自分で勝手に別部門を作ってしまうのです。

ただやっぱり、裏道は正しいゴールとは違う場所に繋がることが多いです。それが特別賞や優秀賞ですね。

最初にコンペ結果で上げたサウンドロゴの審査員特別賞なんかはその代表みたいなものです。絶対本採用にはならないけど、他に同じことしてる人いないよねってところを狙いました。

実績には変わりないので、本線と平行してこういう狙い方をするのもありです。こういうのは仕事が仕事を呼ぶもので、小さい成果でも積み重ねれば信用になり、武器になります。

あとがき

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いかがだったでしょうか。

散々手の内を晒しましたが、そもそもこれが正しいって保障はありません!ただ、ある程度の結果は出ています。
参考にするかどうかは自己責任でよろしくお願います。

最近読んだ、『プロ直伝!職業作曲家への道 曲作りを仕事にするための常識と戦術、そして心得』は多少参考にしました。



普段自分でも意識しているような内容が多く書かれていて、ああ、間違ってないんだなと思えました。普遍的な内容が多いので、趣味としてでも音楽をやっている方は読んでおいてもいい本だと思います。

ではでは、ここまでお付き合いありがとうございました。